これは厄介!自治体ごとの民泊上乗せ条例と不在型民泊の運用

本コラムでは、自治体ごとに定められる「上乗せ条例」と呼ばれる独自のルールがありますが、それらが不在型民泊運営にどのような影響を与えるのか?という注意点についてお伝えします。

法律でOKでも条例でNGに!?上乗せ条例とは?

2018年6月15日に施行となった住宅宿泊事業法においては、そのベースとなる法律・ルールを国土交通省において定めています。その中には、鍵の受け渡し方法や駆け付けなど実際の民泊の運用に関わる要素についても細かく定められています。
しかし、国が定めた「法律」よりも、自治体ごとの地域の「条例」が優先されるという決まりがあり、厳しい地域では“法律的には大丈夫なのに民泊運営できない”ということも往々にしてあるのです。

そのため、あらかじめホスト様ご自身の考えている運用方法(再委託で行う場合)が本当にその自治体で実施できるのかについて各自治体の民泊担当者に「自治体独自のルール・条例はあるか?」と確認の上で、あらかじめ運用方法を相談することをおすすめしています。

上乗せ条例にはどんなルールがある?

例えば運用においては以下のようなことがあります。
※各自治体でも規定が変動するため、必ずご自身で最新情報をお調べください

鍵の受け渡し:法律では可能なパスワード付きキーボックスが不可(手渡しのみ)の場合がある
駆け付け:法律では30分以内ですが、10分以内や常駐義務を課す場合がある

また、「運営可能地域条件」や「運営日数条件」なども自治体の条例により細かく定められているケースも多く、せっかく良い物件が見つかっても民泊が運営できないエリアだった!ということもありうるのです。
ゆめゆめトラベルは全国で実績が多くありますが、必ず事前審査の上で自治体へ相談するという慎重な進め方をおすすめします。

東京23区で厳しい地区・全国的に厳しい地区は?

前述した「条例>法律」については、県単位だけでなく市単位や、それこそ東京では区単位で細かく設定されている場合があります。
23区は区によりルールはまちまちになりますが、制限区域・実施可能日を設けるところもあり、概ね都心は厳しい対応と言わざるを得ません。
中でも、中央区・江東区・目黒区は有無を言わさず全域で週末のみに実施を限定しており非常に厳しい区であると言えます。一方、特区もある大田区、豊島区※、墨田区、北区、荒川区、葛飾区、江戸川区などはこのコラムを書いた時点では非常に規制が緩やかで狙い目と言えます。※ただし、豊島区は鍵を必ず手渡しにするというルールがあります

民泊人気のエリアである新宿区・渋谷区は一定の条件をしっかり守れば可能であり、ゆめゆめトラベルでも実績が多いエリアです。新宿区は住居専用地域で実施日が限られること、豊島区同様に鍵の手渡しを求められるなど厳しいルールもありますが、外国人にとっては最も人気のある場所でもあり民泊運営としても売り上げが見込めると判断されるホストが多いようです。また、渋谷区も原則として鍵は手渡しと言われる(キーボックスはNG)のですが、実際はスマートキー(つまり電子キー)でパスワードが変更できるものであれば承認されるという抜け穴もありますので、人気地区の割には民泊が行いやすいエリアだと言えます。

東京に限らず、各県ごとでも独自の条例を設けているところがありますので、必ずチェックしてください。京都府、石川県、沖縄県は全国的にもかなり厳しい印象ですので、繰り返しになりますがくれぐれも各地の条例に自身のお考えになっている運用が当てはめられるかしっかりとご確認いただきながら手続きを進めていただくようご注意ください。

—このコラムを書いた人—

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ゆめゆめトラベル代表の浅井

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403

住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日