不在型民泊における鍵の受け渡し方法を解説!スマートロックがおすすめ

不在型民泊における鍵の受け渡し方法については、対面で本人確認と共に行うのがベストです。

しかしながら、対面で行えない場合の方法としてキーボックスやスマートロック等いくつかの代替手段を利用する場合もあります。

自治体ごとの特別ルールなどもあり運営においても選択方法に悩む方も多い要素ですが、本コラムではこの鍵の受け渡しに役立つ情報をお伝えします。

不在型民泊における鍵の受け渡し方法4選

不在型民泊における鍵の受け渡し方法は主に4つあります。

  • 手渡し
  • キーボックス
  • スマートロック
  • コンビニでの保管・受け渡しサービス

それぞれについて特徴とメリット・デメリットを解説します。

手渡し

鍵の受け渡しは手渡しが最も理想的です。本人確認も同時に行えますし、対面で宿泊者と直接会った方が宿泊時のトラブル(騒音等)も少ない傾向にあるようです。

対面での手渡しは、身分証明書の確認や宿泊ルールの説明を直接行えるため、後々のトラブルを未然に防ぐ効果があります。

ゲストの人柄や宿泊目的を把握できることで、騒音問題や設備の不適切な使用を避けやすくなるのも大きなメリットです。

ただし、チェックイン時間に合わせてホストやスタッフのスケジュール調整が必要となり、深夜や早朝の対応が困難な場合もあります。

また、人件費の発生により運営コストが増加する点も考慮する必要があります。

キーボックス

キーボックスについては暗証番号で開閉するアナログのものが一般的です。

宿泊者がいつチェックインしたか?チェックアウト時に鍵を閉めたか?鍵を戻したか?といったことが把握できない不安もありますが、安価で使いやすいというのが最大のメリットです。

導入費用が2,000円程度からと手軽で、電源不要のため設置場所を選ばないのが特徴です。

24時間いつでもチェックインが可能なため、ゲストにとって利便性が高く、不在型民泊の魅力を最大限に活かせます。

一方で、実際の利用状況をリアルタイムで把握できないため、鍵の紛失や持ち帰りに気づくのが遅れるリスクがあります。

スマートロック

不在型民泊における鍵の受け渡しで最もおすすめなのがスマートロックです。

遠隔操作が可能で、チェックイン・チェックアウトの履歴も確認できるため、セキュリティ面で大幅に向上します。

スマートフォンから遠隔操作ができ、ゲストごとに異なる一時的な暗証番号やデジタルキーを発行できます。

開閉履歴がリアルタイムで確認できるため、正確なチェックイン・チェックアウト時刻を把握でき、清掃スケジュールの調整や次のゲストへの準備が効率的に行えます。

電池残量の監視や異常時の通知機能もあり、トラブルの予防にも役立ちます。

初期費用は15,000円から50,000円程度とキーボックスより高額ですが、運営効率の向上とセキュリティの強化を考えると、長期的には十分に投資価値のある選択肢といえるでしょう。

コンビニでの保管・受け渡しサービス

鍵の受け渡しを代行してくれる便利なサービスもあります。

例えばKeycafeというサービスでは、ローソン等のコンビニに設置された端末に鍵を保管するというもので、鍵の受け取りにアクセスコードを発行し、受領・返却時に自動通知されます。

ただ、料金は年間使い放題で35,000円ですからスマートロックを買った方が結局お得な気がします(ドアにスマートキーを貼り付けることがNGという物件ならば別ですが)。

>>【参考】keycafe公式サイト

鍵の受け渡しでおすすめなスマートロック2選

鍵の受け渡し方法を4つ紹介しましたが、中でもゆめゆめトラベルがおすすめするのはスマートロックです。

おすすめのスマートロックを2つ紹介していきます。

Qrio Lock+Qrio Pad|セットで使う高機能スマートロック

Qrio Lock本体の特徴

Qrio Lockは既存のドアに工事不要で取り付けられるスマートロックです。

サムターン(ドアの内側にあるつまみ)に装着するだけで設置が完了し、賃貸物件でも安心して導入できます。

スマートフォンアプリから鍵の開閉ができ、ハンズフリー解錠機能により、ゲストが近づくだけで自動的に解錠することも可能です。

Qrio Padとの連携メリット

Qrio PadはQrio Lockと連携して使用する暗証番号式のキーパッドです。

ゲストがスマートフォンアプリを使わずに、暗証番号だけで鍵の開閉ができるため、デジタル機器に不慣れな方でも安心して利用できます。

暗証番号は予約ごとに変更でき、有効期限も設定できるため、セキュリティ面でも優秀です。

Qrio Hubでさらに便利に

Qrio Hub(別売)と連携すると、Qrio Lockを外出先から操作したり、操作した通知をスマートフォンで受け取ることができます。

チェックインとチェックアウトもリアルタイムで遠隔で把握することができ、とても便利です。

清掃を再委託している場合など、再委託先にアプリをインストールしてもらえば期間限定の”合鍵”を簡単にシェアすることも可能です。

>>【参考】Qrio Lock公式サイト

SwitchBot Lock|鍵だけでなくホスピタリティ向上にも貢献

SwitchBot Lockの最大の特徴は、鍵の管理だけでなく民泊の総合的な自動化が可能なことです。

ロックの遠隔操作や合鍵のシェアに加え、照明・エアコン・カーテンなども自動化できるため、滞在前後の準備や清掃時の環境設定がぐっと楽になります。

省エネ・快適性・運営効率を同時に高めることができ、ゲストの到着前に自動で室温調整や照明点灯を行うなど、ホスピタリティの向上にも貢献します。

スマートホーム全体を統合管理したい民泊運営者には特におすすめのソリューションです。

>>【参考】SwitchBot Lock公式サイト

自治体別の不在型民泊鍵受け渡しルールと対応策

鍵の受け渡しに関して独自ルールを設ける(いわゆる上乗せ条例)自治体もあります。

事前に確認して、適切な方法を選択することが重要です。

豊島区|対面手渡し必須の厳格ルール

例えば豊島区は対面による手渡しのみ(さらに宿泊名簿の記入も対面)という厳しい条件を課しています。

この場合、スマートロックやキーボックスは使用できないため、人件費を考慮した運営計画が必要です。

渋谷区|スマートロック推奨の先進的ルール

渋谷区はアナログのキーボックスNGでデジタルスマートキーはOK(これはパスワードを毎回変更できたり、開閉をチェックできるというセキュリティ面で)という条件を課しています。

このような自治体では、むしろスマートロック導入が必須となります。

不在型民泊における鍵の受け渡しで押さえておきたいポイント

鍵の受け渡しで押さえておきたいポイントは3つあります。

  • 鍵の受け渡しと本人確認の適切な順序
  • 鍵の返却確認が重要な理由
  • スマートロック導入時のバックアップ対策

それぞれ順番に解説していきます。

鍵の受け渡しと本人確認の適切な順序

本人確認を物件内に設置したICTを利用して行おうと思っている方は、「鍵を渡さないと本人確認できない」と悩む方もいるかもしれません。

民泊のルールでは、「宿泊行為がなされる前までに本人確認する」というのがルールですので、鍵を先に渡してから後に本人確認をしても良いのです。

もちろんすみやかに行うことは重要ですが、キーボックスで受け渡した後に、物件内のタブレットで本人確認という順序も問題ないのです。

鍵の返却確認が重要な理由

民泊の運用設計の中には鍵の返却方法について記載する場所もあります。

鍵を渡すことには意識が向いても、返却に意識が向かない人も多いかもしれませんが、実はこの返却確認はとても大切なんです。

宿泊ゲストがチェックアウトした後、できる限り速やかに鍵の返却確認をすることをおすすめしておりますが、ここを怠ってしまうと「ゲストが鍵を持って帰ってしまった」となってしまったり、悪意さえあれば合鍵を作られてしまうということもあるわけです。

いざという時のために合鍵はどこかに用意しておくのが無難ではありますが、鍵そのものを変更するのはとてもお金もかかってしまいます。

そういう意味でも、やはりチェックアウトを確認できるスマートキー(前述のQrio等)はおすすめです。

スマートロック導入時のバックアップ対策

スマートロックを採用する場合は万が一故障した場合に備えて、予備の鍵を保管するキーボックスを設置しておくと安心です。

通常は利用しない前提でも、緊急時のバックアップとして設置しておくことで、宿泊者や清掃スタッフが鍵の開閉に困るリスクを軽減できます。

設置場所が目立たないように配慮し、暗証番号は定期的に変更するのが望ましいでしょう。

として設置しておくことで、宿泊者や清掃スタッフが鍵の開閉に困るリスクを軽減できます。設置場所が目立たないように配慮し、暗証番号は定期的に変更するのが望ましいでしょう。

まとめ|不在型民泊の鍵の受け渡しはスマートロックがベスト

不在型民泊における鍵の受け渡し方法は、それぞれにメリット・デメリットがありますが、総合的に考えるとスマートロックが最もおすすめです。

スマートロックがおすすめな理由

  • リアルタイムでの開閉履歴確認により、確実な運営管理が可能
  • ゲストごとの一時的なアクセスコード発行でセキュリティが向上
  • 清掃スタッフとの鍵の共有も簡単で効率的
  • 長期的な運営コストを考えると投資価値が高い

ただし、自治体のルールや物件の制約、初期投資予算などを総合的に考慮して、最適な方法を選択することが重要です。また、どの方法を選択する場合でも、鍵の返却確認とバックアップ対策は必ず準備しておきましょう。

不在型民泊の運営を成功させるためには、ゲストにとって利便性が高く、ホストにとって管理しやすい鍵の受け渡し方法を選ぶことが大切です。本記事の情報を参考に、あなたの民泊に最適な方法を見つけてください。


—このコラムを書いた人—

ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル代表の浅井

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403

住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日