Booking.com掲載で自動的に入る「Agoda予約」の落とし穴と、チェックイン導線が切れないための3つの対策

Booking.comに施設を掲載すると、Agodaにも自動的に掲載されるため、Agoda経由の予約も入ってきます。

実はこのAgoda、不在型民泊にとっては「ゲストと連絡が取れない予約」として問題になることが多いのです。

このコラムでは、Agoda経由の予約で何が起きるのか、そしてチェックイン導線を切らさないために何をしておくべきかを整理します。

※Agodaに直接契約して掲載している場合は、この記事の内容は該当しません。Booking.com経由で自動掲載されたAgoda予約の話です。

Agoda経由の予約で起きる落とし穴

Booking.com経由のAgoda予約では、ゲストとの連絡手段が大きく制限されます。2026年8月時点で確認できている内容を、消えるもの・消えないものに分けて整理します。

消える・使えなくなるもの

項目状態
ゲストの電話番号ダミー番号(+81 02 3564 0799)に置き換わる。かけてもつながらない
ゲストのメールアドレス仮想アドレスのみ。実アドレスは取得できない
宿が送ったメッセージ内のURLマスクされる(地図リンク、名簿入力フォーム、チェックイン案内ページなど)
宿が送ったメッセージ内のメールアドレスそのまま書くとマスクされる
ゲストからの返信宿に届かないことが多い

マスクされた箇所は、ゲスト側の画面で「The shared link has been masked by Agoda for your online safety」のような表示になります。Agoda側はフィッシング対策として行っているもので、宿側で解除する設定はありません。

消えないもの

  • 施設名・住所(Agodaの予約確認書に記載される)
  • メッセージ本文の文章そのもの(リンクと連絡先以外は届く)

つまり「宿がどこにあるか分からない」わけではなく、「建物には着けるが、鍵の開け方が分からない」という状態になります。

Agoda予約の見分け方

Booking.comの管理画面で、ゲストの電話番号が上記のダミー番号、住所がAgodaの所在地(台湾)になっている予約がAgoda経由という可能性が高いです。

不在型民泊でAgoda予約が致命的になるのは「リンクが届かない」から

不在型民泊の多くは、次の導線でチェックインを成立させています。

  1. 事前メッセージで宿泊者名簿の入力フォームを送る
  2. 入力完了後にキーボックスの暗証番号を通知する
  3. ゲストが自分で解錠して入室する

この導線は「リンクが届くこと」を前提にしています。Agoda予約ではそのリンクが消えるため、ゲストは名簿を入力できず、暗証番号も受け取れません。

結果として起きるのは、

  • 到着後に建物の前で立ち往生し、緊急連絡先に電話が来る(深夜に多い)
  • 現地対応スタッフの緊急出動
  • レビューの低下
  • 宿泊者名簿が取得できないまま宿泊が始まる

最後の点は法令上の問題にもなります。住宅宿泊事業法では宿泊者名簿の備付けが義務づけられており、本人確認を含めた運用は自治体の指導内容も踏まえて確認が必要です。導線が切れると、この義務の履行自体が危うくなります。

なお、Booking.com経由のAgoda掲載自体を止める方法はありません。対策は「導線を冗長化する」しかありません。

対策①:初回メッセージをリンクに依存しない形にする

Booking.com経由の全予約に送る初回メッセージの中に、「Agodaで予約した方向け」の案内を組み込みます。Agoda予約を個別に判別して送り分けるのではなく、全員に同じ文面を送り、Agoda経由のゲストだけが反応する構造です。判別の手間がなく、PMSを使っていない施設でも運用できます。

考え方は2つです。

  • リンクがなくても成立する情報を本文に直書きする
  • ゲストの実アドレスをこちらで取得し、以降はOTA外で連絡する

メールアドレスの書き方

メールアドレスをそのまま書くとマスクされるため、機械的に検出されない形で書きます。現時点で確認できている方法は「改行で分割する」方式です。

samplestay
gmail.com

「@」を書かず、@の前と後を改行で分けます。これでも消える場合は、ドメイン内のドットも分割して3行にします。

「samplestay [at] gmail [dot] com」のような置換表記も通る可能性がありますが、自施設で実際にAgoda予約ゲストに送って確認するまでは「要検証」として扱ってください。運用に組み込む前に、既存のAgoda予約で一度テスト送信し、ゲスト側に何が残ったかを確認しておくと安心です。

確実性を上げるなら、両方を併記します。どちらか一方がマスクされても、もう一方が残ります。

初回メッセージ定型文(英語)

Dear [Guest name],

Thank you for your reservation.

Property address: [住所を直書き]
Entrance: [例: 3F, the door next to the elevator]
Check-in: from [時刻] / Check-out: by [時刻]

Before check-in, we will send you the guest registration form
and the key box PIN by message.

*** If you booked through Agoda ***
Agoda hides links and contact details in this message system,
so you may not receive our check-in instructions here.
If that is the case, please email us FIRST at:

samplestay
gmail.com

(Combine the two lines with "@" in between.)
Alternative: samplestay [at] gmail [dot] com

Or reply to this message with your own email address,
written in two parts (before and after the "@").

Once we receive your email, we will send you:
- The check-in guide with the entrance location
- The guest registration form (required by Japanese law)
- The key box PIN

If you cannot reach us by email, a check-in guide with a QR code
is posted at the entrance.

[施設名]

初回メッセージ定型文(日本語)

[ゲスト名] 様

ご予約ありがとうございます。

住所:[住所を直書き]
入口:[例:3階、エレベーター横のドア]
チェックイン:[時刻]〜 / チェックアウト:[時刻]まで

チェックイン前に、宿泊者名簿の入力フォームと
キーボックスの暗証番号をメッセージでお送りします。

【Agodaでご予約の方へ】
Agodaのメッセージではリンクや連絡先が非表示になるため、
チェックイン案内が届かない場合があります。
その場合は、まず以下のアドレスへメールをお送りください。

samplestay
gmail.com

(2行を「@」でつなげてください)
別表記:samplestay [at] gmail [dot] com

または、このメッセージへの返信で、お客様のメールアドレスを
「@の前」と「@の後」に分けてお知らせください。

メールをいただき次第、以下をお送りします。
・入口の場所を含むチェックイン案内
・宿泊者名簿の入力フォーム(法令で必須)
・キーボックスの暗証番号

メールでの連絡が難しい場合、入口にQRコード付きの
チェックイン案内を掲示しています。

[施設名]

自動化の設定

上の定型文はBooking.com経由の全予約に送る前提ですが、Beds24やAirHostなどのPMS・サイトコントローラーを使っている場合は、ダミー電話番号(+81 02 3564 0799)をトリガーにしてAgoda予約を判別し、運営者へLINEやメールで通知を飛ばす設定が可能です。Agoda予約が入った時点で把握できるので、チェックイン前日までに連絡が取れていなければ手動でフォローする運用に乗せられます。

なお、Booking.comのメッセージボードには送信済みと表示されていても、Agoda側のゲストには届いていないケースがPMS各社から報告されています。「送った=届いた」とは考えず、ゲストからの返信があって初めて連絡が取れたと判断してください。

対策②:現地にチェックインガイドを掲示する

メッセージが届かなかった場合の最後の砦が、現地の掲示です。

ゲストはAgodaの予約確認書で住所までは分かるので、建物には到着できます。そこで入口に「名簿入力 → 暗証番号受け取り → 解錠」の流れと、名簿入力フォームのQRコードを掲示しておけば、メッセージが一切届いていなくてもチェックインが完結します。

掲示に入れるべき要素は次の5つです。

  1. 施設名(ここで合っているという確認)
  2. 3ステップの手順(名簿入力 → メールで暗証番号 → 解錠)
  3. 名簿入力フォームへのQRコード
  4. 「未登録の方はこちらから」という明確な誘導
  5. 鍵の扱いに関する注意(持ち出し禁止など)

英語と日本語の併記が基本です。主要な宿泊者の国籍に応じて、中国語や韓国語を足す判断もあります。

上の例は、弊社管理物件で実際に使っている掲示です。Agoda予約に限らず、メッセージを読まずに到着するゲストにも有効なので、不在型民泊では標準装備にしておく価値があります。

対策③:決済と名簿の運用を確認しておく

決済

Agoda経由の予約は、Booking.comでオンライン決済を設定していても現地決済扱いになるケースが報告されています。Booking.comペイメントを利用している施設はオンライン決済になるという情報もありますが、施設ごとに条件が異なるため、Booking.comのサポートに「Agoda経由の予約は現地決済になるか」を確認しておいてください。

現地決済になる場合、不在型では集金手段がありません。対策①でゲストの実アドレスを取得できれば、事前決済リンクをメールで送る運用が可能になります。連絡先取得は、チェックイン導線だけでなく決済の面でも重要です。

名簿

Agoda予約でゲストと連絡が取れないまま宿泊が始まると、名簿の取得が遅れます。対策②の現地掲示に加え、チェックイン当日中に名簿が入力されていない予約をリストアップし、翌朝までにフォローする運用を決めておきます。

Agoda予約を可視化する

管理画面上でAgoda予約に目印をつけ、チェックイン予定のAgoda予約を前日に一覧で確認できる状態にしておくと、連絡未達の予約を取りこぼしません。PMSのカスタムレポートやカレンダーのアイコン機能で対応できます。

まとめ

  • Booking.com経由のAgoda予約は、電話番号・メールアドレス・メッセージ内のリンクがすべて使えなくなる
  • 不在型民泊では「名簿入力 → 暗証番号」の導線が切れるため、チェックイン不能と名簿未取得のリスクになる
  • Agoda掲載を止める手段はないので、導線を冗長化する
    • 初回メッセージに「Agodaで予約した方へ」の案内を組み込み、分割表記のメールアドレスでゲストの実アドレスを取得する
    • 入口にQRコード付きのチェックインガイドを掲示する
    • 決済方法と名簿フォローの運用を決めておく

管理会社に運営を委託している場合は、Agoda予約の運用が組まれているかを確認項目に入れてください。Booking.comに出している以上、Agoda予約は必ず入ってきます。

※本記事のAgodaの仕様に関する記述は2026年8月時点のものです。仕様は予告なく変更されることがあるため、定型文を運用に組み込む際は自施設の直近のAgoda予約で動作を確認してください。

—このコラムを書いた人—

ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル代表の浅井

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403

住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日