住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)のもとで民泊を運営する場合、年間180日以内という営業日数制限は避けて通れません。
この制限の中で安定した収益を確保するために、近年ますます重要性が高まっているのが「マンスリー民泊」という考え方です。
本コラムでは、
・制度上の正しい整理
・Airbnb運用時の注意点
・現場で実際に使われている管理方法
を中心に、マンスリー民泊を安全かつ実務的に運用する方法を解説します。

180日ルール下で収益を上げるには「マンスリー活用」が必須
住宅宿泊事業法では、宿泊日数は1物件あたり年間180日以内と定められています。
この日数制限の中で稼働率と売上を維持しようとすると、
• 短期宿泊(1泊〜数泊)だけに依存する
• 閑散期に空室が増える
といった課題がどうしても発生します。
レンタルルーム(短期の部屋貸し)は住宅宿泊事業法下では「禁止」のため、
有効手段であるのが、30日以上の長期利用=マンスリー活用です。
ここで注意すべきなのは、
マンスリー民泊は「宿泊の延長」ではなく、賃貸としての取り扱いにる点です。
マンスリー民泊は「賃貸」|宿泊事業との違い
マンスリー利用は、30日以上の居住を前提とするため、法的には定期借家契約に基づく賃貸として整理されます。
そのため、必ず定期借家契約書を締結しなければなりません。
この整理を曖昧にしたまま運用すると、法令違反リスクが高まるため注意が必要です。
宿泊事業と賃貸の違い(一覧)
| 項目 | 宿泊事業(民泊) | マンスリー(賃貸) |
| 利用期間 | 1泊〜29泊 | 30日以上 |
| 適用法令 | 住宅宿泊事業法 | 借地借家法(定期借家) |
| 契約書 | 原則不要 | 定期借家契約書が必須 |
| 日数カウント | 180日カウント対象 | 180日カウント外 |
| 管轄 | 保健所 | 不動産取引の範囲 |
AirbnbなどのOTAと保健所の「日数管理」の仕組み
AirbnbなどのOTAは、
宿泊日数の情報を保健所と共有しています。
ただし共有されているのは、
• いつ誰が泊まったか
ではなく
• 年間の宿泊日数合計
です。
保健所はこの合計日数をもとに、
「180日を超えそうな事業者」に対してアラートや指導を行っています。
Airbnbリスティングで起きている“実務上の不具合”
Airbnbのリスティングでは、年間180日に近づくと、
• 予約の自動制限
• カレンダーが開かなくなる
といった挙動が発生します。
ここで問題になるのが、
マンスリー(30日以上)は本来180日カウント外であるにもかかわらず、予約自体を受け付けられなくなるケースがあるという点です。
実務上、これは非常によくあるトラブルです。
解決策|「リスティングを2パターン作る」という考え方
この問題に対する、現場で実際に有効な解決策が以下です。
※この方法が今後できなくなっても保証は致しません
① 宿泊用リスティング(1泊〜29泊)
• 通常の民泊リスティング
• 180日カウント対象
② マンスリー専用リスティング(30日以上のみ)
• 同じ物件をコピーして新規作成(タイトルに【30日以上専用】などと入れる)
• 30日未満は予約不可に設定
③ カレンダー連携
• 2つのリスティングをカレンダー連携
• ダブルブッキングを防止
この方法により、
• 宿泊事業としての運営
• 賃貸(マンスリー)としての運営
を明確に分離することができます。
※カレンダー連携について
意外と知られていない事実|30日以上なら即公開できる
実はAirbnbでは、
30日以上の予約のみを受け付けるリスティングであれば、
保健所への届出通知がなくても公開可能
という仕様になっています。
この点を知らずに、
- マンスリー活用を諦めている
- 不必要に180日を消費している
事業者は少なくありません。
もちろん、
契約書(定期借家契約)を締結することが前提ですが、
制度を正しく理解すれば、マンスリーは非常に強力な選択肢になります。
まとめ|マンスリー民泊は「制度理解×運用設計」がすべて
マンスリー民泊は、
単なる裏技でも、グレーな手法でもありません。
• 180日ルールを前提に
• 宿泊と賃貸を正しく切り分け
• リスティングと契約を設計する
ことで、合法かつ安定した収益モデルになります。
「180日が足りない」と感じた時こそ、
マンスリー民泊を“正しく”取り入れるタイミングです。
特に東京23区で民泊を始める方は、これらのポイントを必ず押さえておきましょう。規制強化の波に飲み込まれる前に、正しい準備と対策を進めてください。

—このコラムを書いた人—
ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403
住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日
