奈良県の住宅宿泊管理業者は、実は『県内・近隣』でなくても選べます
家主不在型の民泊(住宅宿泊事業)には、住宅宿泊管理業者との契約が必須です。
多くの方が「物件の近くの業者を探さなければ」と考えますが、「再委託」という制度を使えば、全国対応の管理業者でも適法に運営できます。
奈良県の民泊ポテンシャルと申請窓口を確認しながら、その仕組みを解説します。

奈良県は、「多い来訪者×少ない宿泊×大都市への近さ」が重なる、宿泊の伸びしろが大きいエリアです
奈良県は、令和6年の観光入込客数が約4,362万人、訪日外国人の訪問者数も約314万人で全国7位と、来訪者数では全国上位に入る県です。その一方で延べ宿泊者数は約283万人・全国44位にとどまっており、多くの旅行者が泊まらずに日帰りで帰っています。県は2030年度に延べ宿泊者数500万人という目標を掲げており、来訪者を宿泊につなげる受け皿づくりが課題として残されています。大阪・京都から30〜40分という近さも、この構造を生んでいる要因の一つです。
文化・歴史観光
奈良県には世界文化遺産が4件あります。1993年に日本で最初の世界文化遺産の一つとして登録された「法隆寺地域の仏教建造物」(法隆寺・法起寺)、1998年登録の「古都奈良の文化財」(東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡の8資産)、2004年登録の「紀伊山地の霊場と参詣道」(吉野・大峯と大峯奥駈道)が、県北部から南部まで広く分布しています。
さらに2026年7月26日、韓国・釜山で開かれた第48回ユネスコ世界遺産委員会において「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産一覧表への記載が決定しました(文化庁発表)。明日香村・橿原市・桜井市に点在する石舞台古墳・高松塚古墳・キトラ古墳・藤原宮跡など19の構成資産で構成され、6世紀末から8世紀初めにかけて古代国家が形づくられていく過程を伝える遺跡群です。これまで日帰り観光が中心だった飛鳥・藤原エリアに、新たな来訪動機が加わりました。
このほか、橿原市の今井町のように江戸期の町並みが重要伝統的建造物群保存地区としてまとまって残る地域もあり、建物そのものが宿泊体験の価値になるエリアが県内各所に点在しています。
温泉・自然体験
吉野町の吉野山は、大峰連山北端の尾根約8kmにわたって約3万本ともいわれる桜が広がる桜の名所で、多くはシロヤマザクラです。麓から下千本・中千本・上千本・奥千本と順に開花し、4月上旬から下旬にかけて山全体が染まっていく光景が知られています。桜のシーズンは県内でも宿泊需要が集中する時期です。
県南部には温泉地も点在します。十津川村の十津川温泉郷(十津川温泉・上湯温泉・温泉地温泉)は、2004年に全国で初めて「源泉かけ流し宣言」を行った温泉地で、村内の温泉施設すべてが循環・加温・加水・塩素消毒を行わない源泉かけ流しです。天川村の洞川温泉は標高約820mの高地にある弱アルカリ性単純温泉の温泉街で、大峯信仰の登山基地として栄えた歴史を持ち、面不動鍾乳洞やかりがね吊橋などが周辺にあります。十津川村の谷瀬の吊り橋も、村を代表する目的地として来訪者を集めています。
アクセス動線
近鉄奈良駅は、近鉄奈良線で大阪難波駅から約40分、近鉄京都線の特急で京都駅から約35分の距離にあります。関西国際空港からは奈良交通のリムジンバスがJR奈良駅・近鉄奈良駅方面へ運行しており、所要時間はおおむね1時間25分〜1時間45分です。
この「大阪・京都から30〜40分」という距離は、日帰り観光を生みやすい一方で、大阪・京都に宿が取りにくい時期の受け皿として機能しやすいという意味も持ちます。県南部の吉野・十津川方面は所要時間が長くなるぶん、日帰りが難しく宿泊とセットになりやすいエリアです。
インバウンド動線と宿泊需要
訪日外国人の奈良県訪問者数は令和6年で約314万人・全国7位と高い水準にあります(2位が大阪府、4位が京都府)。一方、外国人延べ宿泊者数は約40.0万人泊・全国30位にとどまり、訪問者数と宿泊者数の順位に大きな開きがあります。近畿運輸局の宿泊旅行統計によると、奈良県の外国人延べ宿泊者数の国籍別構成比は中国が31.9%で最も高く、近畿2府4県のなかでも中国からの旅行者の比率が高い県です。
奈良県が示す一人あたり観光消費額は、宿泊客が33,284円に対し日帰り客は4,405円(2024年)と大きな差があります。来訪者が多いにもかかわらず宿泊に結びついていない状況は、裏を返せば「泊まれる場所」を用意することの意味が大きい県だということでもあります。
空き家の状況
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、奈良県の空き家数は約9万4,000戸、空き家率は14.6%で、全国平均の13.8%を上回ります。2018年の14.1%から0.5ポイント上昇しており、賃貸・売却用および二次的住宅を除いた空き家率も7.4%から7.7%へ増えています。
世界遺産の周辺や歴史的な町並みが残る地域、宿泊施設が少ない県南部にも活用余地のある住宅が残っており、観光需要と物件候補が同じ県内に分布している点が、奈良県における民泊活用の土台になっています。
奈良県で民泊を始めるときの申請窓口(住宅宿泊事業法)
奈良県内で住宅宿泊事業の届出を行う場合、届出先は物件の所在地によって分かれます。中核市の奈良市は市の保健所が独自の受付窓口を持ち、それ以外の市町村は県内4か所の保健所がエリアごとに管轄しています。
| 届出先(窓口) | 管轄区域 |
|---|---|
| 奈良市 健康医療部保健所生活衛生課 | 奈良市内全域 |
| 郡山保健所 | 大和郡山市、天理市、生駒市、山添村、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町 |
| 中和保健所 | 大和高田市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、宇陀市、川西町、三宅町、田原本町、曽爾村、御杖村、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町 |
| 吉野保健所 | 吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村 |
| 内吉野保健所 | 五條市、野迫川村、十津川村 |
上表は観光庁「民泊制度ポータルサイト 各自治体の情報・窓口案内」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/municipality.html)掲載の奈良県「届出先」PDFをもとに作成しています。中核市の奈良市のみが個別窓口を持ち、それ以外の38市町村は郡山・中和・吉野・内吉野の4保健所が管轄します(旅館業法の窓口とは異なる場合があるため、混同しないようご注意ください)。
奈良県には上乗せ条例があります。「奈良県住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」(平成30年6月15日施行)では、保育所・学校等の敷地から周囲100メートル以内の区域について、月曜日の正午から金曜日の正午まで(休日の前日正午から翌日正午までを除く)の実施が制限されます。あわせて、古都保存法に規定する歴史的風土特別保存地区、および明日香村の第一種・第二種歴史的風土保存地区では、観光需要が増大する期間(4月〜5月および10月〜11月)に制限が設けられています。世界遺産に登録された飛鳥・藤原エリアはこの対象区域を含むため、物件所在地の確認が特に重要です。
奈良市はさらに市独自の「奈良市住宅宿泊事業の実施の制限等に関する条例」を定めています。第一種・第二種低層住居専用地域および第一種・第二種中高層住居専用地域では4月1日〜5月31日と10月1日〜11月30日の月曜正午から金曜正午まで、歴史的風土特別保存地区と奈良町都市景観形成地区では同じ期間の全日、学校・保育所等の敷地の周囲100メートル以内の区域では月曜正午から金曜正午までが制限されます。
県・市いずれの条例にも適用除外の定めがあり、家主が同居する場合のほか、家主不在型でも住宅宿泊管理業務を委託していること、管理業者の営業所から届出住宅までが片道2キロメートル未満であることなど、複数の要件をすべて満たす場合は制限が適用されないとされています。制限区域・制限期間に該当する物件で家主不在型の運営を検討される場合は、この除外要件を満たせるかどうかを事前に管轄窓口へご確認ください。
制限される区域・期間は自治体によって異なり、物件の所在地によって扱いが変わります。届出前に必ず管轄の窓口へご確認ください。最新情報は観光庁の民泊制度ポータルサイト、および各自治体の公式サイトでご確認ください。
このように奈良県は、窓口こそ奈良市と4保健所というシンプルな構成である一方、県条例と奈良市条例が区域・期間で重なる規制構造を持っています。制限区域から外れる物件であれば通年で実施できるため、候補物件がどの区域に当たるかを最初に確認しておくことが、その後の段取りを大きく左右します。

奈良県で家主不在型の民泊をするなら、住宅宿泊管理業者への委託が必須です
住宅宿泊事業法では、届出住宅の居室数が5を超える場合や、宿泊者がいる間ホスト(家主)が不在になる場合、住宅宿泊管理業務の大半を国土交通大臣登録の住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられています。
この「家主不在型」に該当するケースでは、管理業者との契約なしに民泊を営むことはできません。まずは自分の運営スタイルが家主居住型・家主不在型のどちらに当たるかを確認したうえで、必要な委託範囲を把握しておくことが重要です。
その住宅宿泊管理業者、奈良県内・近隣でなくて大丈夫です
住宅宿泊管理業者は、法律上、民泊物件の近隣に所在している必要はありません(条例で禁止している地域を除く)。駆けつけ対応など、物件に直接出向く必要がある業務だけを、物件近くの第三者に「再委託」すればよいのです。
この仕組みを活用すれば、奈良県内・近隣に事務所を構える業者に限定せず、全国対応の住宅宿泊管理業者とも適法に契約できます。ゆめゆめトラベルは全国実績約2,000件・全国対応のため、奈良県内の物件についても対応可能です。
だから、再委託型のゆめゆめトラベルが最適です
「近隣でなくていい」とはいえ、再委託を柔軟に受け入れる住宅宿泊管理業者は多くありません。対応していても費用が割高になりがちで、ホストの希望どおりに運営できないケースも見られます。
ゆめゆめトラベルは、ホストが主体的に民泊を運営できることを重視し、再委託を前提とした管理契約を全国で低コストに提供しています。奈良県での運営においても、次の3点から選ばれています。
圧倒的な低コスト
通常、住宅宿泊管理業者に全業務を委託すると売上の20〜30%+清掃費・メッセージ代行費用などが必要ですが、ゆめゆめトラベルは月額1,200円(税抜)のみ。ホスト自身または指定した業者に業務を再委託するため、この価格を実現しています。※当社の定める基準にて審査があります。
ホスト主体の運営がそのまま続けられる
民泊新法(2018年施行の住宅宿泊事業法)に則った適法な運営方法であり、全国の自治体で同じ方式の届出実績があります。「名義貸し」のようなグレーな運営ではなく、ホストが引き続き主体的に物件を運営できる点が特徴です。
実務をサポートするツール提供
宿泊者名簿の取得や2ヶ月に1度の実績報告、近隣トラブルを防ぐための利用ルール周知など、手間のかかる実務を簡単に行うための会員限定フォーム・データ変換ツールを無償で提供しています。
ゆめゆめトラベルは、地方都市の民泊運営を応援します
地域が、自ら稼ぎ続ける未来をつくる。
民泊は、地域資産を
持続可能な事業へ変える仕組みです。
私たち自身も民泊のホストです。2018年の住宅宿泊事業法の施行時に、多くのホストと同じように「管理業者に任せるのではなく、自分で運営したい」と考えたことが、再委託型を始めたきっかけでした。奈良県でホスト主体の民泊運営を実現したい方を、私たちは支援します。

よくあるご質問
物件の所在地によって分かれます。中核市の奈良市に物件がある場合は市の健康医療部保健所生活衛生課が窓口です。それ以外の38市町村は、郡山保健所・中和保健所・吉野保健所・内吉野保健所の4か所がエリアごとに管轄します。旅館業法の窓口とは別のため混同しないようご注意ください。最新情報は観光庁の民泊制度ポータルサイトや各自治体の公式サイトでご確認ください。
住宅宿泊事業法に基づき国土交通大臣への登録を受けた業者のことです。家主不在型の民泊を営む場合、宿泊者の安全確保や清掃、苦情対応などの管理業務の大半を、この登録業者に委託することが法律で義務付けられています。
はい。県条例により、保育所・学校等の敷地から周囲100メートル以内の区域では月曜正午から金曜正午までの実施が制限され、歴史的風土特別保存地区や明日香村の歴史的風土保存地区では観光需要が増大する4月〜5月・10月〜11月に制限があります。奈良市はさらに市独自の条例で、低層・中高層住居専用地域や奈良町都市景観形成地区などにも制限を設けています。いずれも一定の要件を満たす場合は制限が適用されない定めがあるため、物件所在地の管轄窓口へ事前にご確認ください。
いいえ、法律上その必要はありません(条例で禁止している地域を除く)。「再委託」という制度を使えば、駆けつけなど物件に行く必要がある業務だけを近隣の第三者に委託し、管理業者自体は全国対応でも問題なく運営できます。
月額1,200円(税抜)、初回契約時に12,000円(税抜)をいただいております。再委託を前提とした低コストな管理契約で、当社の定める基準による審査があります。

—このコラムを書いた人—
ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403
住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日
