民泊の非常用照明の設置はどうする?建築基準法の設置基準を解説【特典あり】

民泊運営を始めようと考えているけれど、非常用照明の設置についてよく分からないという方は多いと思います。

保健所から「非常用照明が必要」と言われたものの、どこに何個設置すればいいのか、本当に全部必要なのか判断がつかない方も多いでしょう。

実は、非常用照明には明確な設置原則と緩和条件があり、それを理解すれば無駄な工事費用を抑えられます。

この記事では、民泊における非常用照明の設置基準について、建築基準法の観点から具体的な設置条件と免除される緩和措置を解説します。

記事を読めば、保健所への相談時に適切な説明ができるようになり、必要最小限の設備投資で民泊運営をスタートできるでしょう。

ただし、家主居住型で宿泊室の床面積合計が50㎡以下の場合は、民泊住宅全体で非常用照明の設置義務が免除されます。本記事では、主に家主不在型の民泊を想定して解説していきます。

民泊の非常用照明は建築基準法で定められている

非常用照明は消防設備ではなく、建築基準法で定められた建物の構造上の安全基準です。

非常用照明とは、地震や火災で停電状態になったときでも一定の明るさと点灯時間をキープできるもので、電気工事を伴います。

懐中電灯や人感センサーライトとは異なり、停電時に自動点灯し、30分以上の点灯を保証する設備です。

非常用照明がなぜ必要かというと、宿泊者が災害時に安全に外に逃げられるためです。

居住者と違って、その家に初めてきたゲストは部屋の構造を理解していない可能性が高いため、ガイドが必要ということです。

消防法が「設備」の視点から安全性をチェックするのに対し、建築基準法は「構造」の視点から確認します。

消防設備は消防署が確認しますが、非常用照明のチェックは保健所が担当します。

自治体によって確認方法がさまざまです。書面のみの確認で済む場合もあれば、建築士のサインを求められる場合もあります。申請前に必ず確認しましょう。

非常用照明と誘導灯との違い

非常用照明と誘導灯との違いは次の通りです。

非常用照明(建築基準法)

非常用照明
  • 避難経路を照らす
  • チェック機関:保健所(または建築指導課)

誘導灯(消防法)

誘導灯
  • 出口まで案内する
  • チェック機関:消防署

自治体によっては、消防設備を適切に設置するならば、非常用照明は不要で懐中電灯でもOKという場合もあります。

まずは保健所に相談してみると良いでしょう。

非常用照明の設置が原則必要な場所

よく「どんな場合に設置が必要か」と聞かれますが、考え方は逆です。

基本は設置が必須で、緩和できる条件に当てはまるかを確認していきます。

次の図を例に見ていきましょう。

間取り図の例

非常用照明の設置は、居室・宿泊室とそこからの避難経路は原則必要です。

  • 居室:リビングや台所
  • 宿泊室:すべての寝室
  • 避難経路:廊下、階段、玄関ホール
居室と避難経路

上述した原則からすると、この図の場合はオレンジ色の5つの居室と、青の避難経路部分には必要ということになり、星の7箇所全てに必要ということになります。

非常用照明器具の設置が必要な箇所

非常用照明の設置が免除される緩和条件

多くの居室は緩和条件に該当し、設置不要となるケースが多いのです。

以下のいずれかに当てはまる居室は設置不要です。

条件A:以下の①~④すべてに当てはまる

  • 1階上り下りすれば外に出られる(一軒家の2、1、B1階)
  • 居室の床面積1/20以上の開口窓がある
  • 1階の場合:屋外出口までの距離が30m以下
  • 2階・B1階の場合:屋外出口までの距離が20m以下

条件B:床面積30㎡以下の居室で地上に直接出られる

床面積が30㎡以下で、かつ地上に直接出られる居室は免除されます。

1階で直接外に出られる小さな居室が該当します。

条件C:床面積30㎡以下の居室で以下のいずれかを満たす

床面積が30㎡以下で、かつ地上に直接出られる居室は免除されます。

1階で直接外に出られる小さな居室が該当します。

  • 地上までの通路に非常用照明器具が設置されている
  • 通路が外気に解放されている

居室自体に非常用照明がなくても、避難経路に照明があれば免除される考え方です。

先ほどの図の例においては、この緩和条件を適用すると、7箇所中4箇所が緩和対象となり、結局のところ3つの設置のみでOKとなります。

非常用照明器具の設置が必要な箇所

非常用照明の緩和条件に関する注意点

非常用照明の緩和条件にはいくつか注意点があります。

緩和は居室に限定されている

居室に限定されているため、通路部分は緩和対象外です。

階段、廊下などの通路は原則として必要です。

また、玄関の前室(エントランスホール)も避難経路扱いとなるため、居室が免除されても前室には設置が必要です。

距離の測定は最も遠いところから

距離測定は、部屋の出口からではなく、部屋の最も出口に遠いところから測定します。測定方法を誤ると緩和条件に当てはまらなくなるので注意しましょう。

距離計算

まとめ|特典のご案内

民泊における非常用照明の設置は、原則と緩和条件を理解すれば対応できます。

まずは自分の物件がどの緩和条件に該当するか確認しましょう。

保健所との相談では、根拠法令を示して適切に説明することが大切ですね。

本コラムの執筆にも多大なる協力をいただいた日光電工株式会社は、民泊の照明工事全般を請け負える会社で、非常用照明の設置依頼が可能です。

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—このコラムを書いた人—

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