民泊の住宅宿泊管理業者を変更する方法|手続き・引き継ぎ・空白期間を作らない進め方

民泊の住宅宿泊管理業者は、契約の途中であっても変更できます。ホストの間では「管理会社」「運営代行会社」と呼ばれることが多い、あの委託先のことです。

ただ、実際に変更したホストの多くがつまずくのは、書類の書き方でも、乗り換え先の選び方でもありません。「今の契約が切れる日」と「新しい管理体制が有効になる日」を揃えるという、日付の調整です。家主不在型の民泊は管理業者への委託が法律上の要件になっているため、管理業者が決まっていない日を1日でも作ることができません。

本コラムでは、変更の手順と引き継ぎの実際を整理したうえで、そもそも「別の代行会社に切り替える」以外にどんな選択肢があるのかまでお伝えします。なお、届出の窓口や運用の細部は自治体ごとに異なります。実際に進める際は、必ず管轄の保健所等にご確認ください。

民泊の住宅宿泊管理業者は、契約の途中でも変更できます

「一度契約した管理業者は、物件を手放すまで変えられない」と思い込んでいるホストは少なくありません。しかし、どの住宅宿泊管理業者に委託するかはホスト(住宅宿泊事業者)が決めることであり、途中で変更することを制限する法律の規定はありません。

ここで言葉の整理をしておきます。「管理会社」「運営代行会社」と「住宅宿泊管理業者」は、完全に同じものではありません。運営代行を名乗る会社のうち、国土交通大臣の登録を受けているものが住宅宿泊管理業者であり、家主不在型の民泊で委託先になれるのは登録を受けた事業者だけです。以下は法律上の手続きを扱うため、住宅宿泊管理業者と表記します。

実際に変更を検討されるきっかけは、だいたい次のようなものです。

  • 委託料が売上連動のため、稼働が伸びるほど手取りが目減りしていく
  • 現地対応は自分や知り合いの業者でやっているのに、フルパッケージの料金を払い続けている
  • 連絡が取りづらく、保健所からの指摘への対応が遅い
  • 管理会社のサービス内容に不満がある(自分でやりたい)
  • 2棟目、3棟目と増やすときに、同じ料率では割に合わなくなった

いずれも、運営が軌道に乗った結果、契約したときの前提と現在の運営実態がずれてきたというケースです。

とはいえ、いつでも好きなタイミングで切り替えられるわけではありません。現在の管理委託契約に定められた解約予告期間と、変更の届出を事前に出さなければならないという法律上の要件。この2つが変更のスケジュールを縛ります。次章で、この制約がなぜ厄介なのかをお伝えします。

住宅宿泊管理業者の変更でつまずくのは「空白期間」です

管理業者の変更でトラブルになるのは、書類の不備よりも、契約と手続きの日付がずれることです。

その理由は、家主不在型の民泊に課された委託の要件にあります。住宅宿泊事業法第11条第1項は、届出住宅に人を宿泊させる間ホストが不在となるときなどには、住宅宿泊管理業務を「一の住宅宿泊管理業者」に委託しなければならないと定めています。さらに施行規則第9条第1号で、委託は住宅宿泊管理業務の「全部」を契約により委託することとされています。

この2つの条件から、変更のときに「管理会社が管理していない空白期間を作れない」制約が生まれます。

引っ越しであれば、旧居と新居の賃貸契約が数日重なっていても何の問題もありません。しかし管理業者の変更は、重ねることも空けることもできず、前の契約が終わる瞬間に次の契約が始まっている必要があります。ここが、多くのホストが想定していないポイントです。

そして空白期間は、運営が数日止まるという話にとどまりません。委託義務に違反した場合は50万円以下の罰金(住宅宿泊事業法第75条)、変更の届出をせずに変更した場合は30万円以下の罰金(同法第76条第1号)が定められています。日付を揃えることは、手続き上の丁寧さではなく法令上の要件です。

だからこそ、先に決めるべきなのは解約日ではありません。変更届が受理され、新しい標識を掲示できる日を起点にして、そこへ解約日を寄せていきます。逆に解約日から固定すると、届出の処理や標識の交付にかかる日数を吸収する余地がなくなります。

民泊の住宅宿泊管理業者を変更する手順【一般的な流れ】

ここからは、管理業者を変更するときの一般的な流れを順番に整理します。具体的な提出先や必要書類は自治体によって異なりますが、どこであっても踏むことになる工程はおおむね共通しています。

なお、以下は住宅宿泊事業法にもとづく一般的な流れです。実際の運用は管轄の自治体にご確認ください。

1. 今の契約の解約予告期間と、最短の解約日を確認する

最初にやることは、現在の管理委託契約書の確認です。解約の申し出はいつまでに、どの方法で行う必要があるのか。予告期間は何か月か。最低契約期間や違約金の定めはあるか。これらを読み取って、最短でいつ解約できるのかという日付を1つ確定させます。

この日付が、以降のスケジュール調整のすべての土台になります。契約書が手元にない場合は、この段階で現在の管理業者に写しを請求しておきましょう。

2. 新しい管理業者と契約内容を詰める(この時点では解約しない)

委託料の体系、現地対応の範囲、契約開始日をいつに設定できるか。ここまで詰めておいて、まだ現在の契約は解約しません。新しい体制がいつから有効にできるかが見えていない段階で解約を申し出ると、日付を後から動かせなくなるためです。

なお、住宅宿泊事業法施行規則第9条第2号では、委託しようとする管理業者に対し、あらかじめ届出書とその添付書類の内容を通知することとされています。新しい管理業者には、現在の届出内容を早い段階で共有しておくとスムーズです。

3. 管轄の保健所・自治体窓口に相談する

契約書案が用意できたら、管轄の保健所等に相談します。確認したいのは、変更届の提出方法と必要な添付書類、標識は自分で作成するのか交付を受けるのか、そして手続きが完了して新しい体制が有効になるまでにどれくらいの日数がかかるか、の3点です。

このうち日数の確認が、実務上いちばん重要です。空白期間を作らないためには、自治体側の処理にかかる時間を先に把握しておく必要があります。

4. 解約日と、新しい標識を掲示できる日を揃える

3で聞いた日数をもとに、現在の管理業者への解約の申し出をいつ行うかを逆算します。目指すのは、現在の契約が終了する日と、新しい管理業者との契約が始まり変更後の標識を掲示できる日が、切れ目なくつながる状態です。

ここで1と3の情報が噛み合わないようであれば、新しい管理業者との契約開始日を後ろにずらすか、解約の申し出を急ぐか、どちらかで調整します。日付が固まったら、現在の管理業者へ正式に解約を申し出ます。

5. 変更届を事前に提出する

住宅宿泊事業法第3条第4項では、届出事項に変更があったときは「その日から30日以内」に届け出ることとされています。ところが、委託する住宅宿泊管理業者に関する事項だけは扱いが違い、「変更しようとするときはあらかじめ」届け出なければならないと定められています。事後報告は認められていません。

届出は施行規則第5条により、届出事項変更届出書によって行います。添付書類は変更事項に応じたもので、管理業者の変更であれば新しい委託契約書の写しなどが該当します。民泊制度運営システムを通じたオンライン申請ができる自治体が多くなっていますが、窓口へ出向く必要があるかどうかは3の相談のときに確認しておきましょう。

6. 標識を差し替える

住宅宿泊事業法第13条により、ホストは届出住宅ごとに公衆の見やすい場所に標識を掲示する義務があります。この標識は、住宅宿泊管理業務を自ら行うのか、管理業者に委託するのかによって様式が分かれており(施行規則第11条)、管理業者を変更すると記載内容が変わるため差し替えが必要です。
標識をホスト自身が印刷して作成する自治体もあれば、自治体が発行する運用のところもあります。どちらの運用かによって必要な日数が変わるため、ここも事前に確認しておいてください。

7. 旧管理会社との管理終了(新管理会社の管理開始)

物件に掲示しているステッカーを差し替えて初めて、管理会社が変わったという状態になります。
変更届を出しただけではダメなので注意が必要です。

住宅宿泊管理業者を変更するとき、引き継げるもの・引き継げないもの

管理業者を変更するとき、多くの方は「今の運営状態がそのまま新しい管理業者に移る」とイメージされます。ところが実際には、引き継げるものはそれほど多くありません。管理業者が変わるということは、法律上の義務を負う主体の一部が入れ替わるということであり、単なる業務委託先の交代とは意味合いが違うからです。

なお、清掃やリネン交換、鍵の受け渡しといった現地業務を管理業者が手配していた場合、その手配は契約終了と同時に止まります。現在の清掃業者に続けてもらいたいのであれば、その業者が管理業者の下請けなのか、独立して直接契約できる相手なのかを確認しておいてください。切り替え日の直後に予約が入っているなら、清掃と鍵の手配がつながるかを日付単位で見ておく必要があります。

そのうえで、書類と実績について押さえておきたい点を3つに絞ってお伝えします。

宿泊者名簿は、どちらが保管するのか決めておく

宿泊者名簿については、作成の日から3年間保存することが住宅宿泊事業法施行規則第7条第1項で定められています。そして、住宅宿泊管理業務を委託している間は、法第36条により宿泊者名簿に関する規定が管理業者に準用され、名簿を備え付ける場所は「当該住宅宿泊管理業者の営業所又は事務所」と読み替えられます。委託している期間の名簿は、事業者側あるいは管理業者側が備え付けている状態になります。

もし管理業者側が管理している場合、管理業者を変更するときに、変更前の期間に作成された名簿を誰が3年間保存し続けるのかという論点が発生します。前の管理業者が保管を続けるのか、ホストに引き渡すのか。解約の申し出をするときに、あわせて名簿の取扱いを書面で確認しておいてください。備付けに関する義務に違反した場合は、30万円以下の罰金が定められています(同法第76条第2号)。

定期報告の義務は、管理業者が変わっても自分に残る

住宅宿泊事業法第14条にもとづく定期報告は、届出住宅に人を宿泊させた日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別の内訳を、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日までに、それぞれの前2か月分について報告するものです。この定期報告は、法第36条で管理業者に準用される規定の範囲に含まれていません。委託していてもいなくても、報告義務を負っているのはホスト自身です。

実務として管理業者が報告を代行してくれていた場合、乗り換えのタイミングで報告が漏れやすくなります。特に、変更をまたぐ2か月間の宿泊実績は、前の管理業者も新しい管理業者も全体を把握していない可能性があります。切り替え期間の日数と宿泊者数は、ホスト自身で記録を残しておいてください。報告をしなかった場合も、30万円以下の罰金の対象です(同法第76条第3号)。

予約・レビューは、アカウントが誰の名義かで結論が変わる

民泊仲介サイトの予約履歴やレビュー、スーパーホストなどの評価は、そのアカウントに紐づいた資産です。ホスト自身の名義でアカウントを開設し、管理業者に運用を手伝ってもらっていた場合は、そのまま維持できます。

一方、管理業者の名義のアカウントに物件が登録されている場合、契約が終われば掲載も評価も手元には残りません。ゼロからの再出発になります。どちらの状態かは、契約書ではなく実際のアカウント画面を見ればすぐに分かります。乗り換えを検討する段階で必ず確認してください。

「別の代行会社に切り替える」以外の選択肢があります

乗り換えを検討している方の多くは、「今より条件の良い代行会社を探す」という一本の軸で比較しています。売上の20%が15%になれば成功、という考え方です。

その比較の前に、一度立ち止まって考えていただきたいことがあります。民泊の運営には、大きく分けて2種類の仕事があります。ひとつは、清掃、鍵の受け渡し、ゲスト対応、駆けつけといった現地の実務。もうひとつは、住宅宿泊管理業者として法律上の責任を負い、運営が適切に行われているかを監督する役割です。

一般的な運営代行の料金は、この2つがひとまとめになっています。だからこそ売上に対する料率で設計されており、稼働が伸びるほど金額も増えていきます。ところが実際には、現地の実務はご自身や知り合いの清掃業者で回しているホストが相当数いらっしゃいます。その場合、料金のうち実務の部分は、使っていない機能に払っていることになります。

分けて考えると、選択肢は2つです。実務ごとまとめて任せる従来型の運営代行か、実務は自分で回し、住宅宿泊管理業者としての役割だけを委託する形か。後者を再委託型と呼びます。

住宅宿泊事業法第35条は、管理業者が委託された住宅宿泊管理業務の全部を他者に再委託することを禁じています。裏を返せば、一部の再委託は認められています。再委託型は、この仕組みを使って、現地に赴く必要のある業務をホストやホストが手配した業者へ再委託し、管理業者としての監督責任は管理業者が負う、という設計になっています。

どちらが優れているという話ではありません。実務を人に任せて手離れさせたい方には従来型が向いていますし、自分で運営したい方、すでに自分で回している方には再委託型が合います。ここで比較すべきなのは、同じ完全代行同士ではなく、実務込みの料金と、管理業者としての役割だけの料金です。この2つは、料率の差ではなく金額の桁が変わる話になります。

再委託型は、実務を自分で運営する方のためのサービスです。そのため、清掃も鍵の受け渡しもゲスト対応も自分で手配することが前提になり、保健所とのやりとりや変更届の提出といった手続きも、ホストご自身で進めていただく形になります。実務を外部に任せたい方には向いていません。

代行会社がすべて巻き取ってくれる形に慣れていると、手間が増えたように感じられるかもしれません。ただ、ここまでお読みいただいて分かるとおり、管理業者の変更で決め手になるのは解約日と届出のタイミングという、ホストしか正確に把握できない情報です。ご自身で進めていただくことは、その意味で理にかなった設計でもあります。

再委託型のゆめゆめトラベルへ変更するときの費用と、手続きの進め方

ゆめゆめトラベルは、再委託型の住宅宿泊管理業者です。清掃や鍵の受け渡し、駆けつけといった現地に赴いて行う業務はホストご自身または再委託先にご対応いただき、当社は住宅宿泊管理業者として運営の監督とアドバイスを担います。北海道から沖縄まで、事務所の所在地にかかわらず全国の物件を管理しているのはこの仕組みによるものです。

費用は2種類、支払いのタイミングは2段階です

住宅宿泊管理業務の範囲でいただく費用は、初期登録料と月額委託契約料の2つだけです。契約後に契約書の修正など通常外のタスクが発生した場合を除き、これ以外の費用はかかりません。金額は当サイトのトップページに掲載しています。お支払いはクレジットカードのみとなります。

支払いのタイミングは2段階です。初期登録料は、契約書の作成と保健所への事前面談の前、捺印なしの書類を扱う段階でお支払いいただきます。月額委託契約料は、保健所への申請の前、捺印ありの書類を扱う段階です。運用開始時ではありません。

月額料金は「◯月分」という月ごとの区切りではなく、お支払いいただいた日が基準日になります。たとえば15日にお支払いいただいた場合、毎月15日が引き落とし日となり、翌16日から管理開始となります。管理業者を変更するホストにとっては、この基準日が新しい体制の開始日と直結するため、前の契約の解約日と合わせて確認していただく重要なポイントになります。

他社から変更される場合の手順

他社の管理業者からゆめゆめトラベルへ変更される場合の手順は、当サイトのよくあるご質問で以下のとおりご案内しています。

①現在の契約解約日を確認する
まず、現在契約中の管理業者の規約をご確認いただき、最短でいつ解約できるかを把握してください。

②当社との新規契約を進める
初期登録料をお支払いいただいた後、契約書案を作成します。その契約書をもとに保健所へご相談ください。

③スケジュールを調整する
「現在の管理業者を解約できる日」と「保健所で管理業者変更手続きを完了し新しいステッカーを受け取れる日」が一致するよう、保健所と相談しながらご自身でスケジュールを調整してください。

④変更届を提出する
月額委託契約料をお支払いいただき、捺印済みの契約書を添付の上、保健所(オンライン申請も可)へ変更届を提出してください。

スケジュールの判断はご自身でお願いいたします。不明な点は保健所にご相談ください。

>>よくあるご質問

②で契約書案を先にお作りするのは、保健所へ相談する際に契約書の内容が必要になるためです。前半でお伝えした「空白期間を作らない順序」を、そのまま手続きに落とし込んでいます。

まずは仮審査で、管理をお受けできる物件かご確認ください

ゆめゆめトラベルでは、ご契約の前に仮審査を行っています。物件の所在地や運営体制をうかがい、当社の再委託型の仕組みで管理をお受けできるかを確認するものです。

現在他社に委託中で、乗り換えを検討している段階でもお申し込みいただけます。解約の申し出をする前に、新しい体制を組めるかどうかを先に確認しておくほうが、スケジュールを組みやすくなります。

—このコラムを書いた人—

ゆめゆめトラベル https://www.yumeyumetravel.com/

ゆめゆめトラベル代表の浅井

ゆめゆめトラベル 代表 浅井 夢
所在地:東京都三鷹市井の頭4-16-6-403

住宅宿泊管理業者
登録番号:国土交通大臣(01)第F03187号
登録年月日:令和6年2月15日